まだ届かない。
君の居る世界に、手を伸ばせない。
弱虫の自分を抱き締めて、下唇を噛んでも。
残るのは…微かな痛みと、滲む血の味と。
悔しさだけ。
……願ったんだよ。
追いつけますように、って。
祈ったんだよ。
傍に居られますように、って。
(永久に眠る夢の欠片に触れてはいけない)
ただ貴方を願ったはずなのに。
(真実の奥底に自分を重ねてはいけない)
生暖かい手がくれたのは残酷な事実だけ。
それは。
(さよならを言葉にする時は)
(大きな覚悟と決意も、一緒に)
決して忘れないと決めたから。
ずっと…一緒だよ。
縛るものは何もない。
其れさえも、貴方を愛する夢の続きであるならば。
「…私が、わかる?」
大粒の雫が落ちたその頬は。
何度触れても、冷たく、哀しい。
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