そっと抱き寄せて、軽く髪をかきあげ。
優しく頬に触れて、けれども視線は外す事なく。
「……」
近付けた顔。甘い吐息。
重ねるのを求めるのは。
鮮やかな真紅。
君の為の色。
「………や…」
「ん?」
「…いや」
―――なんだって?
「なんでだよ…何がイヤなんだよ」
「そのマニュアル通りのキスまでの運び方」
(…ぐ)
「いい加減飽きたわよ。どっかの本の読みすぎじゃないの?」
…女って、なんでこんなにうるさいんだ……。
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