急がないと
 間に合わない






 時間は追いかけるのに、私は何を追いかけてるのだろう?
 頭でそんな事を過ったけど、今の私にはそんな考える気持ちあるわけがない。
 「日常の中で不完全を求める方が間違ってるって」
 そう言ったのはクラスの誰だっけ?
 其れすらも忘れてる。そろそろヤバイかも、私。



 「明日どうする?」
 「何が?」
 「朝からオトコ捕まえてカラオケ、もしくはドライブしたいって言ったのは何処の誰だっけ?」
 「……あー…めんどい」
 「―――またこれだよ」




 オトコなんて探せばごまんといる。
 ただ、殻を飛び出したかっただけ。



 其処ら辺で見繕ってきたオトコ使って、身体で埋めるのも飽きたし。
 クスリに手を堕す程穢れていくつもりはないし。
 其れなりに『イイコ』してないと、オヤは泣くし喚くし。
 最近のジョシコーセーもそうそう暇ではないのに。




 私、何してるの?ココで。






 「―――行かなくちゃ」
 呟いて、走り出した。
 「急がないと」
 息が荒くなるのもお構いなしに。
 「間に合わない」
 ゴール地点はすぐ其処。




 不意に触れたくなった、夜明けの暖かさ。



 分け隔てなく誰にでも平等に与えられる太陽の日差し。







 日常に飽きたと思った瞬間、如何してココに来なかったんだろう。
 変わらない朝日は私には眩しすぎて、怖い。
 ヒトリがこんなにも空しいなんて…知りたくなかったのに。
 「―――眠りすぎたのかな…」
 答えてくれる人が居る訳ではない。
 追いかけっこしてたのはどっち?



 意識がはっきりしてきたんだろうな、と呟いて。
 少し笑った。








































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